なぜ順番が問題になるのか
アニメは一つの作品がテレビシリーズ一本で終わらないことがよくあります。原作が続く間、数年おきに次のシーズンが作られ、その合間に劇場版や外伝、前の時代を描いた作品が入り込みます。タイトルに「第2期」と付かず副題だけが変わることも多く、初めての人はどれが最初なのかから迷います。入門の段階では、どの作品を選ぶかと同じくらい、どの順番で見るかが第一印象を左右します。順番を誤ると設定の説明がないまま物語の途中に放り込まれたり、前半のどんでん返しを後の作品で先に知ってしまったりします。
最初の一本は長さでふるいにかける
最初は作品の評判より長さを見ます。数百話ある長編は面白さを感じる前に話数に疲れやすく、途中でやめるとアニメそのものが合わないと思い込んでしまいます。一方、ワンクールで終わる作品なら週末の二日で見終わり、「最後まで見た」という経験が先に手に入ります。その経験が重なれば、長い作品も気後れしなくなります。
- 劇場版一本:二時間前後で、いちばん気軽に味見できる
- 1クール完結作:12〜13話、一話二十分ほどで一日二日あれば終わる
- 2クール以上:24話を超える分量なので、ジャンルに慣れてから
- 連載中の長編:次のシーズンを待つことになるので最後に
すでに好きなものから出発する
名作リストの上から順に見るより、ふだん好んで見る映画やドラマのジャンルから入るほうが失敗が少なくなります。ジャンルのお約束をすでに知っているので、絵柄や演出が見慣れなくても話についていきやすいからです。次のように結びつけると、最初の一本の候補が絞れます。気に入る作品が見つかったら、その監督や脚本家のほかの作品へ広げていくのが次の段階です。
- 犯罪ものやサスペンスが好きなら:ミステリーや頭脳戦のアニメ
- 恋愛ドラマが好きなら:学園もの・恋愛もの・日常もの
- アクション映画が好きなら:バトルものや少年漫画原作
- スポーツ観戦が好きなら:スポーツアニメ。ルールを知らなくても追えるように作られている
公開順と時系列順
シリーズが何本もあると、公開された順番と物語の中の時間の順番が違うことがあります。本編が人気を得た後に、それより前の時代を描いた作品が作られるのが典型です。初めて見るときは公開順に従うのが基本です。制作側は視聴者がその順で見ることを前提に情報を明かしていくので、時系列順で見ると後で明かされるはずの事実を先に知ってしまうことがあります。時系列順の視聴は、一度見終えてから見返すときに物語の流れを新しく読み直す方法として取っておくのがよいでしょう。
同じ原作が二度アニメ化された場合
人気の原作は、時間がたってから最初にさかのぼって再びアニメ化されることがあります。最初の版が原作の完結前に放送され、途中から独自の結末に分かれたため、後になって原作に忠実な版が新しく作られる、という流れです。この場合、二つの版は続きものではなく別の作品なので、どちらか一つを選べば十分です。原作に近い流れを求めるなら後の版、当時の演出や空気を味わいたいなら最初の版、というふうに決めます。タイトルがほとんど同じで紛らわしいので、放送年もあわせて確認してください。
劇場版・総集編・外伝の扱い
テレビシリーズの間に公開される劇場版は性格がまちまちです。本編の物語を引き継ぐ劇場版を飛ばすと次のシーズンが分からなくなりますが、テレビの内容を編集し直してまとめた総集編は、テレビ版を見ていれば省いてもかまいません。紹介文に「総集編」や「再編集」とあるかを見れば、たいてい区別がつきます。
- 本編をつなぐ劇場版:シーズンの間の物語を埋めるので順番どおりに
- 総集編:テレビ版を編集し直したもの。テレビ版を見たなら任意
- 外伝・番外編:本編とは別に進む話。本編を見てから
- 前日譚:本編の一部を見た人を前提に作られていることが多い
順番を確かめるチェックリスト
新しいシリーズを始める前に数分かけて次の点を確かめれば、たいていの混乱は防げます。確認には公式サイトや放送リストのように、タイトルと公開時期だけが並んだ資料を使うのが安全です。あらすじ付きの順番表は、整理のために重要な展開まで書いてあることが多いからです。
- 最初のシーズンの正確なタイトルと放送年
- シーズンの間の劇場版が本編をつなぐものかどうか
- 総集編・外伝・リメイクが混ざっていないか
- 原作が完結しているか、アニメが原作のどこまでを描いたか
- いま使っている配信サービスで全シーズンが見られるか
よくある失敗
入門者が順番でつまずく原因はだいたい似ていて、ほとんどは始める前の少しの確認で防げます。付け加えると、最初に選んだ作品が合わなかったからといって媒体全体を判断しないことも大切です。アニメはジャンルの幅が広いので、一本が合わなかったというのは、そのジャンルや演出が合わなかったという意味に近いのです。
- 検索結果のいちばん上に出た最新シーズンから再生してしまう
- 総集編の劇場版を新作だと思って見て、テレビ版を飛ばす
- 二つのリメイク版を続きものと思い込み、両方を最初から見る
- 順番を調べているうちに掲示板の書き込みで結末を先に読んでしまう
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